#デイサービス #立ち上がり #評価
「歩行は見ているが、立ち上がりまでは評価していない」
「送迎時やトイレ動作で問題なければ大丈夫だと思っている」
このような施設は少なくありません。
しかし実際には、立ち上がり動作の低下は転倒や機能低下の重要なサインです。
評価を行わないまま支援を続けることは、利用者の安全だけでなく、施設の信頼にも影響する可能性があります。
本記事では、立ち上がり評価を行わないことによるリスクと、現場で押さえておきたい視点について解説します。

立ち上がり動作は機能低下の最初のサイン
立ち上がりは日常生活のあらゆる場面で行われる基本動作です。
- 椅子から立って移動する
- トイレ動作
- 下着などの着替え
- ベッドからや食事後の移動
この動作に時間がかかったり、できなくなるとどうなるか
歩行の不安定になり、そのため活動量が低下、動作に時間がかかるため介助量が増大。
につながります。
こうした理由から、立ち上がりは、生活機能低下の入口ともいえる重要な動作といえます。
また立ち上がれないだけで一人暮らしや老々介護の場合、在宅生活が困難になる場合もあります。デイサービスでは職員の介助量負担が増えて、在宅できなくなった利用者さんを失うことになります。
立ち上がりを評価をしていない施設で起こりやすいリスク
立ち上がり動作の評価や訓練は機能訓練の専門家が行うものでそれ以外の職種は関係ないと考えていませんか?
しかし立ち上がり動作は
- 送迎での車の乗降
- トイレ動作で介助がいるかどうか
- 入浴での着替え、浴槽への移動
- 通所内の移動動作が自分でできるか、見守りがいるか、介助がいるか
様々な場面で機能訓練指導員より関わる場面が多いのです。また機能訓練指導員がいない場合ももあります。
日々の立ち上がり動作の観察を見逃しスタッフ間の共有していないとどうなるのか
① 転倒リスクの増加
立ち上がり時のふらつきや筋力低下を見逃すとどうなるのか
- 初動時のバランス崩れ
- 方向転換時の転倒
- トイレ動作中の事故
につながる可能性があります。
また転倒は利用者の生活だけでなく、施設運営にも大きな影響を与えます。
転倒事故を起こしたという、不信感や実際それにより骨折等が起これば休所や利用施設の変更を余儀なくされる場合もあります。
② 歩行能力低下の見逃し
歩けているように見えても、よく観察してみると
- 立ち上がりに時間がかかる
- 手すり依存が増えている
- 反動を使わないと立てない
こういった変化は、歩行能力や生活機能の低下の前兆です。
評価を行わない場合、変化に気づいた時には低下が進行していることも少なくありません。
③ 介助量の増加と職員負担の増大
では立ち上がり能力が低下するとどうなるか
- 移乗介助の増加
- トイレ介助の増加
- 送迎時の介助負担増
が起こります。なぜなら、これらの日常生活動作全般に立ち上がり動作が関わっているからです。
そうなると職員の身体的負担だけでなく、業務効率にも影響します。
また、利用者様自身も利用準備に時間がかかるようになり家族や本人の負担が増えます。
④ 家族・ケアマネからの信頼低下
転倒や急な機能低下が起きた際、「事前に変化はなかったのか」と問われる場面があります。
評価と記録がない場合はどうなるかというと
- 説明が難しい
- 予防的支援が伝わらない
- 信頼低下につながる
可能性があります。
あらかじめ評価(予兆に気づく)していて立ち上がりや転倒のリスクが上がってきていることを把握している。また家族やケアマネとその情報を共有したうえで起こった事故、もしくは経過であることが説明できると安心感や納得が得やすいはずです。
そのためには評価や対策していることが必要です。
デイサービス等でなぜ立ち上がり評価は行われにくいのか
現場では次のような理由が挙げられます。
- 評価方法が統一されていない
- 職員ごとの判断に任されている
- 忙しく観察が習慣化されていない
- 「立てているから大丈夫」と判断されやすい
- そういう評価は機能訓練指導員(専門家)がするものと思っている
これは個人の問題ではなく、仕組みの問題です。
デイサービスのスタッフ間での気づきを共有しサービスにつなげる仕組みづくりが必要です。
立ち上がり評価は「特別な検査」である必要はない
重要なのは、日常動作の中で確認する視点です。
例えば:
- 反動を使っていないか
- 手すり依存が増えていないか
- 立ち上がりに時間がかかっていないか
- 立位が不安定でないか
このような観察を共有するだけでも、変化への気づきが早まります。
なぜなら専門家でなくても日常の介護を担うスタッフ一人一人が気付けることばかりです。
利用者の安全と施設の信頼を守るために
立ち上がり動作は、単なる動作の一つではありません。なぜなら、
- 転倒予防
- 歩行維持
- 自立支援
- 介助量軽減
に直結する重要な指標でもあります。
つまり評価を行うことは、利用者の安全を守るだけでなく、施設、介護の専門家としての専門性と信頼性を高めることにもつながります。
また評価することで解決の糸口が見えてきます。
専門家(機能訓練指導員)に頼るだけでなく介護を担うスタッフ全体で問題を共有し解決につなげる目線を養う糸口にもなります。
デイサービスで立ち上がり評価を行うことの意義のまとめ
このように立ち上がり評価を行わないことは、
- 転倒リスクの見逃し
- 機能低下の早期発見の遅れ
- 介助負担の増加
- 信頼性の低下
といったリスクにつながる可能性があります。
一方で、日常の動作を共通の視点で観察し共有するだけでも、支援の質は大きく向上します。
まずは、立ち上がり動作に目を向けることから始めてみてはいかがでしょうか。
またスクリーニングとして5回立ち上がりテストやTUG等を定期的に行うなど、目に見えやすい評価もおすすめです。

参考・引用:
【5回立ち上がりテスト】転倒・ADL・QOLと関連とカットオフhttps://yamanopt.com/fivesittostandtfalladl
虚弱高齢者における5回立ち上がりテストの有効性の検証https://cir.nii.ac.jp/crid/1390001205570970880
TUGテストのカットオフ値や測定方法・評価方法とはhttps://www.tricare.jp/knowledge/category4/category4_1/2904
立ち上がり評価のための 関連資料
なお、立ち上がり動作を“評価から組み立てる”という考え方に基づき、動作改善を段階的に支援する方法として「タキザワ式リハビリ」という実践モデルもあります。立ち上がりと歩行の関係性に着目し、自立支援につなげる視点を体系化している点が特徴です。
レディメイドリハビリプログラムであるため器具の装着や運動を促すことは専門家でなくても行える内容がほとんどです。

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