#立ち上がり #チェック
高齢になるといつの間にか(徐々に)立ち上がりにくくなってくることが多いです。
「椅子から立つのに時間がかかる」
「何度も立ち直しをする」
「手すりや介助がないと立てない」
こうした 立ち上がりの困難さ は多くの場合、いくつかの原因が重なって起きています。
原因に早めに気づいて対策することで立ち上がれなくなる事態を防げる可能性は多いです。
この記事では、
立ち上がりが難しくなる主な原因をチェックリスト形式 で整理し、
デイサービスや施設、ご家族が確認すべきポイントをまとめます。

なぜ立ち上がりにくいのか|立ち上がり困難チェックリスト
デイの利用者さんが立ち上がりにくい症状が出てきた時や立ち上がりに時間がかかるようになってきたら
以下の項目に 当てはまるものがいくつあるか 確認してみてください。
早めに手当て(リハビリなど)行うことで立ち上って歩行できる期間が延びる可能性が大です。
【チェック①】筋力の低下が関係していないか
- 椅子から立つとき、太ももに力が入らない
- 立ち上がる途中で止まる、膝を十分に伸ばすことができない(座ったまま膝を伸ばす運動をしたときに完全に伸ばすことができない)
- 何度か反動をつけないと立てない(足関節が硬く足が引けてない場合にもあります)
👉 太もも(大腿四頭筋)やお尻の筋力低下 は、
立ち上がり困難の最も多い原因です。特に膝を伸ばす(大腿四頭筋)ことができないと立ち上がる事が困難になります。
立ち上がった後、姿勢を伸ばすときや姿勢保持には腰回りや体幹の筋力も必要です。
【チェック②】姿勢・動作・関節の動きの問題がないか
- 立つ前に体を前に倒せていない(背もたれから背が離せていない)
- 足が椅子の奥に引きよせられていない(足関節が硬い、動きが十分でない)
- 上体だけで立とうとしている(過度に手すりを引っ張る、手すりを強く押す)
- 立つ動作がゆっくりすぎる、または急すぎる(動作のタイミングが合っていません)
👉 筋力があっても、
立ち上がりの姿勢や重心移動のタイミング が合っていないと立てません。特に足が十分に引き寄せられていないと足に体重がのらず、踵で押して後方に倒れるか、立ち上がった後後方に倒れることが多くなります。
また下肢の浮腫みや麻痺などの神経症状がある人は足関節の動きがわるくなりやすい傾向があります。その為、足を引き寄せにくい場合や体重をのせる感覚が分かりにくい場合もあります。
また体幹や下肢筋力や関節の痛みを上肢の力(手すり依存)している場合もあります。過度に上肢の力に頼りすぎていると手や肩関節に痛みが出てくることもよくあります。
【チェック③】関節の痛みや動きの制限がないか
- 膝や股関節に痛みもしくは腰痛がある
- 立ち上がるときに顔をしかめる
- 動き出しに強い痛みが出る(変形性の関節症がある人によくあります)
- 痛みを避けるような動作になっている
👉 痛みがあると、
無意識に力を出さない動き になり、立ち上がりが不安定になります。認知機能の低下などで表現できない人もいます。
また痛みは急な脱力の原因にもなります。原因を探って痛みを軽減する対策が必要です。
【チェック④】バランス能力が低下していないか
- 立った直後にふらつく(重心が足の中心に乗っていないとバランスを崩しやすいです)
- 立つのを嫌がる(浮腫みで足底まで腫れている、神経障害で足底に異常知覚がある場合も)
- 手すりや人を探すような動きがある(立ち上っても立位が保てない)
- 転倒経験がある(恐怖心)
👉 「立てない」のではなく、
「立つのが怖い」ために動作が止まる ケースも非常に多く見られます。
また立ち上がった後足底の中心に体重がのっていない。前の場合は前倒れ、後ろの場合は後ろ倒れの原因になります
【チェック⑤】環境が合っていない可能性
- 椅子が低すぎる(少し高めの方が立ち上がりやすいです)
- 座面が柔らかすぎる(座布団やクッションに工夫が必要です)
- 足の裏が床につきにくい(背の低い小柄な人や足関節等に拘縮がある人によくみられます、足台など利用しましょう)
- 手すりや支えが近くにない(手すり付きの滑りにくい椅子や手すりの設置を検討しましょう)
👉 実は、
環境調整だけで立ち上がりが改善する ケースも少なくありません。
【チェック⑥】認知・理解面の影響はないか
- 動作の順番が分からなくなる(高次脳機能障害の失行等で起こります)
- 足の裏が床につきにくい(背の低い小柄な人や足関節等に拘縮がある人によくみられます、足台など利用しましょう)
- 手すりや支えが近くにない(手すり付きの滑りにくい椅子や手すりの設置を検討しましょう)
👉 立ち上がりは
複数の動作を組み合わせた行為 のため、理解力の低下も影響します。高次脳機能障害の失行等は毎日繰り返し行うことで克服できる場合もあります
立ち上がりのチェック結果からわかること
立ち上がりが難しい原因は高齢になると1つだけではないことがあります。
- 筋力だけ
- 痛みだけ
- バランスだけ
どれか一つとは限らないことが多いです。
チェック項目が少ないほど解決しやすい可能性があります。
多くの場合、複数の要因が重なっている ことがほとんどです。1つ1つの内容をチェックをして解決できるものから解決していくことが肝心です。
立ち上がり動作でデイサービス・家族が意識したいポイント
デイサービスに行き始めた時は元気で動けていたのに徐々に動けなくなってきた。ということはよくあることです。しかし本当にそれだけでしょうか。
- 「年だから仕方ない」と決めつけない
- 介助を増やす前に原因を整理する
- 立ち上がり動作そのものをよく観察する
立ち上がりは、歩行・トイレ・移動すべての土台です。
できなくなると介護力のない自宅での生活が成り立たなく事が多くあります。 施設でも人手不足の折、十分な介護ができなくなる可能性もあります。
しょうがない事とあきらめていても自宅で生活できなくなると施設に行かなければなくなり、そこを探しながら介護負担が増えます。
デイサービスでは個々のスタッフの負担が増えた後、獲得した利用者様がへります。
そんな事態を招かない為にも早めの対策が重要になってきます。ではどうすればいいのでしょうか。
急に立てなくなった場合に多い原因についてはこちら https://patareha.com/tatenai-genin/

立ち上がれなくなる前に立ち上がり動作をチェックすることが改善への第一歩
立ち上がりが難しくなったとき、もしくは動作がが遅くなってきたなど
まず大切なのは 原因を正しく知ること です。
できれば普段から定期的にチェックすることをお勧めします。高齢になると回復に時間がかかります。早めに現状を把握して対策することで立ち上がれなくなるという事態を防ぎましょう。
今回のチェックリストは、
- 現状把握
- デイサービスでの共有
- 家族との情報整理
すべてに役立ちます。
もし
「チェック項目が多く当てはまる」
「原因がはっきりしない」
そう感じた場合は、
立ち上がり・歩行に詳しい専門家に相談すること が改善への近道です。
立ち上がりが難しい原因を整理できる
「立ち上がりチェックリスト(PDF)」を無料で配布しています。
印刷してご家族やデイサービスでの共有にもご活用ください。
印刷できるチェックリスト(PDF)はこちら
https://patareha.com/wp-content/uploads/2026/01/立ち上がりが難しい原因チェックリスト-1.pdf
参考、引用:
立ち上がり動作における膝関節角度および動作速度の違いが足圧分布に与える影響https://cir.nii.ac.jp/crid/1390001205527747328
立ち上がり動作を容易に行うために必要な足関節背屈可動域は 10°以上と言われています(森田 智美ら,『立ち上がり動作を容易に行うために必要な足関節背屈可動域の検討 ―床反力,股関節屈曲角度に着目して―』理学療法―臨床・研究・教育,19:23-26,2012)。2021/02/10https://www.jstage.jst.go.jp/article/ptcse/19/1/19_1_23/_pdf
運動分析学 → 立ち上がり動作時の大腿四頭筋張力 https://square.umin.ac.jp/haru-labo/kine/chair_rise.html


立ち上がりのチェックができたらタキザワ式リハビリ
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