#高齢 #床から立つ
ベッドの普及により床に布団をひいて寝る人は減ってきています。
また高齢になると腰痛や怪我で介護保険の利用対象になると比較的容易にベッドを借りることができるようになるのでそれを機会にベッドを利用開始する人も多くなります。(私も実際それによりベッド利用を勧めた人が多くいました。)
ただ残念なことに長いこと椅子とベッドの生活をしていると不意に床に滑り落ちてしまった場合に立ち上がる方法を忘れていて立ち上がれずに困る人が多いことです。
ベッドやソファー等の洋式生活のメリットとデメリット
腰痛などがあると夜間でも立ち上がるのが楽です。また人工関節になると可動域に制限が残る為ベッド利用する必要がでてきます。車いすなどへの移乗も高さを揃えること楽になります。
ただ布団と違って高さがある為移乗し損なったりすると落下の危険もあります。
床に寝ている時は這って移動できていた人にとっては車いすや立って歩いて移動することで転倒の危険が高まります。
和式生活の延長で床に座ったままいざるか這って移動すると転倒の危険はありません。またトイレなど要所要所では椅子や手すりを用いて立ちあがることで生活していますが、長いこと椅子とベッドの生活をしていると不意に床に滑り落ちてしまった場合に立ち上がる方法を忘れていて立ち上がれずに困る人が多いことです。
その点訪問リハに行っていた時に在宅で和式生活を続けていた人はトイレまで這うか座ったままいざって行くので転倒の危険性がありません。またトイレは洋式なのでトイレで手すりなどを使って立ち上がるので普段から床からの立ち上がり動作は繰り返し学習ができていました。
布団も床敷きならば夜中ベッドからの転落の心配もありませんでした。
床から立ち上がるにはどういう方法があるでしょうか
元気な時の立ち上がりは次の図のようなイメージだと思います。

でもこのような方法は起き上がる時の腹筋力や蹲踞位(しゃがんだ姿勢)をとるための股関節や膝関節、足関節の柔軟性が必要です。高齢になってこの立ち上がり方ができる方は優秀です。しゃがんでその体勢から立ち上がる必要もあるのですから、筋力や柔軟性が落ちて立ち上がりに困るような人はこの方法で床から立ち上がる事はできません。
自力で立ち上がる為の一番簡単な方法は赤ちゃんが初めて立ち上がる時の方法です。先ずは四つ這いになって(ただし人工股関節の人は人工関節になっていない方の健側を軸にして下さい(もしくはうつ伏せから高這いパターンで)。両方の人はうつ伏せから四つ這いになりましょう)
そして両手を床についてベッドや固定された台もしくは椅子があったらそこに手をついて高這い(膝を伸ばした四つ這い)になり膝もしくは台に手をついて身体を引き起こします。


介護保険のレンタルベッドにはベッドの高さを変えられる昇降機能がついたものがあるのでベッドの近くまで安全にいざって行けるならベッドの近くまで行ってベッドの高さを1番低くまで下げると床までの高低差が少なく腕をついてお尻を台まで引きずりあがることができる場合もあります。
また介護保険で昇降機能付きの椅子というものもあります。
ただ昇降機能付きのベッドや椅子を使うにしてもそこまで床の上を移動する必要があります。床で移動するための方法も練習が必要です。座って上肢を使って手をつきながらもしくは左右の臀部(骨盤)を左右交互に持ち上げて少しずつ移動する(お尻歩き)。うつ伏せで肘を立てていざる。四つ這いで移動する。

ただ転倒した場合は骨折していることもある為無理せずに救急車を呼んでください。一人暮らしの場合はいざという時に緊急連絡できる手段を考えておきましょう。
携帯電話はストラップで首にかけておく、着替えなどの時はベッド柵などにつるして床からでも取れる位置にしておく等々できる工夫はしておきましょう。
参考・引用:基礎運動学 医歯薬出版 https://www.ishiyaku.co.jp/search/details.aspx?bookcode=211530
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