#高齢者 #橈骨遠位端骨折
高齢になるとふとしたきっかけで転倒しそうになり、手をついて止めただけで手首を骨折してしまったということが起こりやすくなります。閉経後の女性にも起こりやすい骨折です。骨粗しょう症により骨が弱ってきているのです。

それほどの衝撃もなかったのに手首が腫れて熱を持ってきたら早めに整形外科に行きましょう。
高齢の父の手首(橈骨遠位端)の骨折
私事ですが昨年、父が手首の骨折をしました。道を歩いていてつまずいた拍子にちょっと手をついたということだったのですが、私がたまたまその日の夕方家に行ったときには手首が腫れて内出血があり、保冷材で冷やしているところでした。絶対骨折しているなとは思いましたが少し手首を軽く動かしてみても、手首を軽くトントンと叩いても痛くないといいます。
骨折していると骨折部を軽くたたく刺激でも激痛がはしるはずなのですが、認知の症状があるせいか(認知症の人は時々痛みの感覚がマヒしていることがあります)感じにくかったのかとりあえず近くの整形外科は休診だったので次の日に母に連れていくよう頼みました。
母の話によると次の日の朝、夜には冷やして落ち着いていた腫れと内出血が再燃したうえ、昨日転倒したことを忘れてしまった父は軽くパニックを起こしたようです。整形外科に連れて行くと案の定、骨折していて、指の根元の関節から、手首の10㎝位下までギプスをまかれていました。やっと痛みを自覚したのか腫れてくる手首とギプスの圧迫で辛そうでした。
こういう時も四肢の浮腫みの時と同じで患部の挙上と末梢の運動が有効です。肘から方は動かせたので肘を介助して腕を挙上させて動かせる指先の屈伸を繰り返してもらうと、少しずつ腫れが引いてギプスからの圧迫も軽減しました。
その後も夜寝た後は、朝起きるとなぜギプスをまいているのか忘れてしまっていて(健忘という症状)また寝ている間に腫れてきた手の圧迫に毎朝軽くパニックを起こしたようですが、肘をソファー背もたれにおいてそこからそこから肘を曲げて挙上しながら指先を運動することで腫れが治まり4週間ほどでギプスが外れました。
ギプスが外れた日に洗面所にお湯をいっぱい貯めて肘から先をゆっくり温めながらギプスの中の手首のよごれを落としながら軽く手首を前後に動かした後、自分で両掌を合わせて、合わせた手を上下に動かすと手首の可動域が戻ります。余裕があれば手のひらを合わせたまま左右や前後に振るように動かしましょう。骨折してない手首の動きに合わせて痛みの強くない程度に少しずつ動かすのがコツです。

父の場合は利き手ではなく、認知症のため家事も引退していたのでそれ以上のリハビリもいらない程度に日常生活に支障の出る動きの制限や痛みが残ることなく済みました。
経験的には骨折部位が関節にかかっていると動きの制限や痛みが残りやすくなります、
手首の骨折の時に自分でできるリハビリのコツ
私の経験からすると、骨折した後ギプス固定中の浮腫みを放置するとギプスの圧迫でつらいうえに、関節が硬くなりやすくなります。挙上して、固定されていない末梢の関節を動かすことで浮腫みは軽減できます。浮腫みはできるだけ解消しておきましょう。
末梢の関節まで浮腫んで動かしにくくなっている場合が多いのでその場合は少しマッサージして関節を動かしてみてから、自分で屈伸の運動等を行うと効果的です。自分でできる範囲でなるだけ浮腫みを改善しておくと、ギプスを外した後のリハビリがスムーズです。特に外した後は垢もいっぱいたまっていますので、ゆっくり部分浴をして無理のない範囲で関節を動かしておくとよりスムーズです。
また手首の固定中に肩を動かさないことにより、肩回りの動きが悪くなって後遺症が残るケースも多くあります。浮腫み解消の挙上の際にはなるだけ肩の動きいっぱいのところまで1日数回上げましょう。
運悪く肩回りの動きが悪くなってしまった場合はプーリーでの運動がおすすめです。引っ張り上げることで縮こまった肩の関節の間を拡げる牽引効果もありますし、自分で動かすことで痛みを加減できます。
また高齢の方は骨折期間中杖がつけず、次の転倒を警戒して運動不足になりがちです。外出頻度が減り動けない間はタキザワプログラム(メソッド)で立ち上がりや歩行の機能が落ちないように安全な運動を続けましょう。
参考・引用:骨折ネット 高齢者に多い骨折(2)
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