#高齢者 #立ち上がり不安定
高齢者のリハビリや介護の現場では、「立ち上がりが不安定」という場面をよく目にします。
しかし、不安定な立ち上がりが具体的にどのような状態なのか、明確に説明できないケースも少なくありません。
立ち上がり動作は歩行や日常生活動作の基盤となる重要な動作です。
そのため、動作の不安定さを正しく捉えることが、適切な支援につながります。
本記事では、立ち上がり動作が不安定な高齢者の特徴と、その背景にある原因について解説します。

立ち上がりが不安定になるとはどういう状態か
立ち上がりが不安定とは、単に「立てない」という状態だけではありません。
例えば
- 立ち上がるまでに時間がかかる
- 動作がスムーズでない
- 立った後にふらつく
といった状態も不安定さの一つです。
このような変化は、身体機能の低下を反映している可能性があります。
立ち上がり動作が不安定な高齢者の特徴
前傾が不十分
立ち上がる際には体を前方へ傾ける必要があります。
前傾が不十分な場合、重心が足の上に移動せず、立ち上がりが難しくなります。
また前傾が自分でできないと介助者や手すりを強く引っ張ろうとして介助者の腰に負担がかかる場合があります。
体調不良やけが等で臥床時間が増えてくると股関節や体幹の動きが悪くなります。座らせていてもリクライニングなどで骨盤が後傾したままの状態になっているとこの動きができません。
この場合必要な運動の説明はこちら https://patareha.com/kontiha/

手で強く支えている
椅子や手すりを強く使わないと立てない場合、下肢筋力の低下が考えられます。
特に立ち上がれるまでは、適切な位置での足関節を固定するための柔軟性と筋力、膝を90度以上曲がった状態から立位が保てる0度から10度程度まで体重を支えながら伸ばす筋力が必要になります。
また膝関節など下肢の関節に痛みや不具合があると下肢に十分な力が入らず手で強く支える必要が出てきます。そんな状態が続くと手関節や肩関節に痛みが出て、立ち上がる事もその手で杖を突いて歩行することも困難にになる場合があります。
立ち上がりに時間がかかる
スムーズに立てず時間がかかる場合、筋力や関節の動き、バランス能力の低下が影響している可能性があります。
前述したように足関節や膝関節周囲の筋力が低下して力が出ない。安静や関節症などで動きが悪くなるとバランスがとり難くなり、立ち上がりに時間がかかります。
立った直後にふらつく
立位保持が不安定な場合、バランス能力の低下が疑われます。
踵からつま先まで床にしっかりつけて重心が足の真ん中に持って来られてないと立ち上がってすぐ偏った方にバランスを崩すことが多いです。特に多いのは踵に重心が残ったまま立ち上がってすぐに後ろに倒れたり座ってしまう状態です。
立ち上がった後安定して身体の重心が身体の中心で維持できるためのバランス能力が必要です。そのバランス能力がないと立ち上がっても手すりが手放せずその後の動作に結び付きません。
左右差がある
どちらかの脚に偏って立ち上がる場合、筋力差や動作の偏りがある可能性があります。
怪我や麻痺、片方の関節の痛みなどがあるとどちらかに偏って立ち上がる事が多くなります。ある程度は仕方がないですが、そのことが続くともう片方の脚に負担がかかって不具合が出やすくなります。
怪我や麻痺、関節の痛みがあっても少しずつ偏りを軽減するよう、回復を促して両方の脚の偏りを減らす努力が必要です。
片脚に頼って立ち上がるとその後もバランスが偏り歩行や動作が不安定になります。
参考: 高齢者の椅子からの立ち上がり動作https://www.jstage.jst.go.jp/article/rika1996/13/2/13_2_85/_pdf
なぜ立ち上がりが不安定になるのか
下肢筋力の低下
太ももやお尻の筋肉が弱くなると、体を持ち上げる力が不足します。とくに前述したように膝を伸ばす大腿四頭筋の筋力は重要です。膝が伸びない状態では膝折れが起こりやすくなります。
またその間足底を床にしっかり固定するための足回りの筋力が低下すると足が固定できなくなりかかとからつま先への体重移動が出来なくなり重心が安定せず不安定になります。
膝が伸びるにつれて腰を伸ばすお尻周りの殿筋の力も低下すると腰が伸びず立ち上がり動作が不安定になってきます。

バランス能力の低下
立ち上がりの最後には姿勢を安定させる必要があります。その為にはなるだけ左右対称に足を使い立ち上がる最中にも重心が身体の真ん中にあるよう保つためのバランス能力が必要になります。
この能力が低下すると、重心が安定せずふらつきが生じます。
重心移動の問題
体を前に移動させる動きが不十分だと、足に十分な体重がのらず重心が後ろに残るので、立ち上がりや立ち上がった後が不安定になります。
また、それと同時に踵からつま先にかけてスムーズに体重をのせていくための足底の重心移動も肝心です。立ち上がりの際足底全体がが床についている状態にならなければ立ち上がった後足が浮いている状態になり立位が安定しません。
左右対称動作及び足底の重心移動にはパタコロの運動、特にパタの運動が最適です。また足の固定の為の筋力強化も行えます。
また臥床が続いて足底が床につかない人も介助しながらこの足の踏み込みを行わせていると足が床につく、フットレスト(車いすでの足を置く部位)に固定しやすくなる人が経験上多くいます。
パタパタ運動器具での運動の記事はこちら https://patareha.com/pata/

不安定な立ち上がりがもたらすリスク
立ち上がりの不安定さは、転倒や活動量低下のリスクにつながります。
また、立ち上がりが不安定な場合、歩行にも影響が出ることがあります。
立ち上がり動作と歩行の関係に関してはこちら https://patareha.com/standing-to-walking/

立ち上がりの評価と改善のポイント
不安定な立ち上がりに対しては、まず評価を行うことが重要です。
立ち上がり動作の観察に役に立つ記事はこちら https://patareha.com/tatiagari-check-2/

評価をもとに
- 下肢筋力の強化
- バランス訓練
- 動作練習
などを行うことで改善が期待できます。
これらの内容をすべてを含む、だれでも安全に始められ続けられる簡易な運動器具を使ったタキザワ式リハビリプログラムというのがあります。
まとめ
立ち上がり動作が不安定な高齢者には
- 前傾不足
- 手の使用
- 動作の遅さ
- ふらつき
といった特徴が見られます。
これらは身体機能の低下と関連しているため、適切な評価と支援が重要です。特に高齢者の場合知らず知らずのうちに状態が悪くなると回復が困難になりやすいため、日ごろからの予防的なリハビリが重要になってきます。
立ち上がり動作を正しく理解することが、歩行や日常生活の改善につながります。
参考:
立ち上がる動作の安定や維持にタキザワ式リハビリ
- お勧め理由―座ったまま器具を使ってすぐできる運動は隙間時間を有用に埋めます
- タキザワ式リハビリー超高齢社会は介護してくれる人も高齢ー座ったまま始められる
- 座ったままでできるリハビリ「パタコロ」
- 施設で導入しやすいリハビリ器具「パタコロ」
- 立ち上がり動作との関連性-立ち上がれない時何ができていないかチェック
- 運動の種類ー簡易な器具を使って座ったまま始める立ち上がりサーキットトレーニング
ホームに戻るには こちら https://patareha.com/




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