立ち上がり動作の評価方法|代表的な3つの立ち上がりテスト

立ち上がりテストのイメージ デイサービス等運営・活用

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立ち上がり動作は、日常生活における基本的な動作の一つです。
椅子やベッドから立ち上がる能力は、歩行やトイレ動作など多くの生活動作に関係しています。

そのため、高齢者の身体機能を把握する際には、立ち上がり動作の評価が重要になります。

立ち上がり能力を評価することで

  • 下肢筋力や柔軟性
  • バランス能力
  • 動作の安定性

などを確認することができます。

本記事では、立ち上がり動作を評価する代表的な3つの方法について紹介します。

立ち上がりテストのイメージ

なぜ立ち上がり動作の評価が重要なのか

高齢者では加齢や活動量の低下により、下肢筋力やバランス能力が徐々に低下します。

その結果、次のような変化が見られることがあります。

  • 立ち上がりに時間がかかる
  • 手を使わないと立てない
  • 立った直後にふらつく

これらの変化は、歩行能力の低下や転倒リスクの増加につながる可能性があります。

そのため、立ち上がり動作を定期的に評価することで、身体機能の変化を早期に把握することが重要です。


立ち上がり動作の代表的な評価テスト

立ち上がり能力を評価する方法にはいくつかのテストがあります。
ここでは、比較的簡単に実施できる代表的な3つの方法を紹介します。


5回椅子立ち上がりテスト(5STS)

5回椅子立ち上がりテストは、椅子から5回連続して立ち上がる時間を測定する評価方法です。ストップウォッチと安定した椅子があればその場で行える簡単なテストです。虚弱高齢者の抽出や体力評価のスクリーニングとしてよく使われています。

このテストでは

  • 下肢筋力
  • 動作速度
  • バランス能力

などを総合的に評価することができます。

一般的には、立ち上がりにかかる時間が長いほど、下肢機能の低下が示唆されます。

5回椅子立ち上がりテストに関するデータでは

転倒リスクを判定する5回立ち上がりテストは15秒以上は転倒リスクが高い                      立ち上がりテストが遅いことはADLの悪化と関連した(OR=1.90, 95%CL: 1.63-2.21, p<0.01)

等のデータがあげられています

また本来は胸に手を組んで手すりを使わず行う評価ですが、虚弱高齢者の多い施設やデイサービスでは転倒や座った衝撃での圧迫骨折の危険もあります。その為、基本的には手すり利用もしくは手すり利用の有無も評価に記載して比較することをお勧めします。

同じ条件で測定することで経過がわかります。

参考・引用:

【5回立ち上がりテスト】転倒・ADL・QOLと関連とカットオフhttps://yamanopt.com/fivesittostandtfalladl

虚弱高齢者における5回立ち上がりテストの有効性の検証https://cir.nii.ac.jp/crid/1390001205570970880


30秒椅子立ち上がりテスト(CS-30)

30秒椅子立ち上がりテストは、30秒間で何回立ち上がりができるかを測定する方法です。

このテストは、下肢筋力や持久力の評価に用いられることが多く、高齢者の身体機能評価としても活用されています。

回数が少ない場合は、下肢筋力やバランス能力の低下が考えられます。

虚弱高齢者で5回立ち上がりテストに30秒以上かかる人は30秒で何回立ち上がりができたかで評価する方が良いかもしれません。


立ち上がり動作観察(動作評価)

時間や回数を測定するテストだけでなく、立ち上がり動作そのものを観察することも重要です。

時間や回数が増える、減る。多少の誤差は出ますが減り続ける、急に減る時何が変わってきているのか原因究明、改善の手掛かりになります。

例えば

  • 体を十分に前傾できているか
  • 手で強く支えていないか
  • 立ち上がりが不安定ではないか

などを確認します。

このような動作観察は、動作の問題点を見つけるうえで有効です。

Time up &go test (TUG)

他にも立ち上がりから歩行を含めた総合評価としてTUG(Time up &go test)という評価法もあります。

高齢者の運動器不安定症を評価する上で下肢筋力、バランス,歩行能力、易転倒性といった日常生活機能との関連性が高いことが証明されており、高齢者の身体機能評価として広く用いられている評価法です。

具体的な実施方法は

椅子に深く座り、背筋を伸ばした状態で肘かけがある椅子では肘かけに手をおいた状態、肘かけがない椅子では手を膝の上においた状態からスタートし、無理のない早さで歩き、3m先の目印で折り返し、終了時間はスタート前の姿勢に戻った時点とします。

10秒未満の者は自立歩行、11~19秒では移動がほぼ自立、20~29秒は歩行が不安定、30秒以上は歩行障害あり、と指摘されています。

参考・引用:日本運動器科学会 time up &go test

Timed Up & Go Test(TUG)について|日本運動器科学会
Timed Up & Go Test(TUG)について掲載しています。

日本整形外科学会 運動器不安定症 https://www.joa.or.jp/public/sick/condition


デイサービスで立ち上がり評価を行うメリット

デイサービスでは歩行訓練や機能訓練が行われることが多いですが、その前に身体機能の評価を行うことが重要です。立ち上がりテスト等はストップウォッチと椅子があればすぐに行える評価で専門家でなくても行えます。

立ち上がり評価を行うことで

  • 下肢機能の状態
  • 動作の問題点
  • 転倒リスク

などを把握することができます。

評価結果をもとに利用者様の現状を把握することができます。また出来得る対応を家族やケアマネ、スタッフに周知することができます。

また機能訓練に対応しているのであればそれを基に訓練内容を検討することで、より効果的な機能訓練につながります。

なお、立ち上がり動作を“評価から組み立てる”という考え方に基づき、動作改善を段階的に支援する方法として「タキザワ式リハビリ」という実践モデルもあります。立ち上がりと歩行の関係性に着目し、自立支援につなげる視点を体系化している点が特徴です。

誰でも対応できる安全に椅子に座った状態から始められる、レディメイドのリハビリプログラムですので専門家(機能訓練指導員)がいなくても、もしくはいても補助プログラムとして有効です。


立ち上がり評価は歩行能力とも関係する

立ち上がり動作は歩行とも密接に関係しています。安全に歩行を始めるためには、まず安定して立ち上がる能力が必要です。

そのため、歩行能力が低下している場合には、立ち上がり能力も確認することが重要になります。

立ち上がりと歩行の関係については、こちらの記事でも解説しています。


まとめ/デイサービス等施設での立ち上がり評価

立ち上がり動作は、高齢者の身体機能を評価するうえで重要な基本動作です。

代表的な評価方法として

  • 5回椅子立ち上がりテスト
  • 30秒椅子立ち上がりテスト
  • 動作観察
  • TUG(time up &go test)

などがあります。

これらの評価を通して身体機能の状態を把握することが、適切な機能訓練や自立支援につながります。

立ち上がり機能の維持改善に自立支援のためのタキザワ式リハビリの紹介

ホームに戻るには https://patareha.com


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