ストレッチボードの効用―足関節の可動域改善、立位での良姿勢保持、循環改善等

ストレッチボードで立つときの姿勢矯正イメージ 経験からリハビリのコツをアドバイス
ストレッチボードで立つときの姿勢矯正イメージ

#ストレッチボード #立位 #リハビリ

デイケアでは立位の持久力のある方もしくは持久力が上がった人には個別プログラム(リハビリメニュー)としてストレッチボードに立っている練習も取り入れました。立位を保つ時間を増やすための訓練の一環にもなります。膝痛や腰痛で姿勢が悪くなってきている人の姿勢改善にも役立ちます。

最初に勤めた病院にもあって下腿の骨折等での足関節の可動域制限や脳卒中の足関節可動域維持に利用していました。

ストレッチボードでの立位訓練はリハビリメニューにいろいろな目的で取り入れやすい

膝痛や腰痛(圧迫骨折、脊柱管狭窄症等)を抱えている人は膝を曲げた姿勢をとることが多くそのことが腰を曲げたままの姿勢や猫背にも影響して歩幅が狭まることで足関節の運動範囲が狭まって可動域が低下する。どこが初発かは人にもよりましたがある程度は仕方ないこととはいえそれ以上の悪化防止や改善のために最適です。

背中が丸くなるとどうなるかのイメージを図にしています

神経障害による麻痺や痙性で足関節が硬くなりがちの人も自重で持続ストレッチが行える便利なアイテムとして長く愛用していました。パーキンソン病のある人も姿勢が前かがみになる傾向があるので悪化防止になります。 

ストレッチボードに自立するためには足関節の背屈の可動域が必要になってきます。この可動域が低下すると歩行する時につま先がひっかかり、立ち上がる時に足を十分に引き込めず立ち上がれない原因になります。ストレッチボードで立つことは静的なストレッチになります。

タキザワプログラム(メソッド)パタやコロでの運動はダイナミックストレッチになりますので一緒に行うとより効果的です。

また足関節が伸ばされることにより膝の後ろにもかかる腓腹筋という筋肉も伸ばされます。またこの状態でバランスを保つためには膝の後ろが伸びないと直立できない為、壁に強くもたれかからないように膝の後ろの筋肉が伸びる必要も出てきます。また股関節が曲がった前かがみの姿勢だと腰が後ろに引けてバランスが取れない為自然と股関節を伸ばして伸びあがる姿勢を誘導してくれます。

また頭も前に倒れないようあごを引いて立つことを意識すれば理想的な立位姿勢が取れます。膝痛や腰痛のある人は膝が曲がり、骨盤が前や後ろに倒れすぎていることが多いため、それを矯正して正しい立位姿勢をとる練習にもなります。

下肢の浮腫傾向のある人も浮腫によって可動域が低下しがちになります、ストレッチボードにのることで持続ストレッチすることでその後の循環改善と可動域維持の目的でも利用していました。

ストレッチボードで立つときの姿勢矯正イメージ
ストレッチボードで立つときの姿勢矯正イメージ

ストレッチボードで立位時間や良い姿勢をとる時間の延長するためのリハビリのコツ

デイケアに来られている方は高齢で腰痛や膝痛を訴える人が多くいました。他にもパーキンソン病や脳卒中の後遺症等様々でしたがストレッチボードを壁につけて前には4点歩行器などの手すりになるものを配置して乗降時はスタッフが手助けすることで立位の取れるほとんどの利用者さんが利用することができました。

デイケアでストレッチボードで立っている訓練風景

私の運営していたデイケアでは3分→5分→10分と様子を見ながら時間を増やしました。ストレッチボードに乗ることで足関節に関しては静的な持続ストレッチによる柔軟性の獲得、下肢浮腫に対する血流増加、膝痛腰痛による姿勢悪化の矯正、立位時間の延長などを目的に個別プログラムとしてスタッフ管理で行っていました。

設定する角度は6度→10度→15度までで使用しました(足関節の正常な背屈は15~20度なので)。立っていることができる人が対象で最初は5分程度から壁を背に立ってもらっていたので最初は背もたれ自由、歩行器を利用した手すりを持つのも自由で始めました。

ほとんどの人が壁にもたれての利用でしたが15度の傾斜で立つことに余裕のある人にはなるだけ壁から背を離して自立するよう意識するよう言いましたが、まずは壁にもたれても立位時間を延長する訓練の一つとしても便利でした。

立位姿勢が悪く耐久性がない人も多いため乗り降りや途中疲れたら持てるよう4点歩行器手すり替わりにするとある程度の立位の耐久性がある人(おおむね10分以上)は6度程度の傾斜から利用開始できました。

散歩したり外出できるほどの余裕のある人は徐々に後ろの壁から背を離したり、暇つぶしに指の体操やハンドグリッパーなどでの握力強化も同時にやってもらいました。立っている間の時間つぶしにもなり一挙両得です。

歩行速度を意識して歩幅を拡げるためには前かがみの姿勢を改善して、足関節を柔軟に保つことが重要です。ストレッチボードを利用した立位訓練はその効果が期待できます。

デイケア室の面積の関係で歩行訓練の場所が十分に取れませんでした。しかしながら平行棒内での応用歩行練習や肋木を利用した立位訓練とこのストレッチボード、バランスクッション上での立位バランス訓練等を組み合わせると、全部こなせる人ではトータル30分位は立位をとることになります。プラス重錘訓練で1㎏をつけての運動ができる人は十分近所の買い物に行ける状態になりました。

家等で自分で行う場合は無理のない角度や時間から少しずつ行ってみてください。家やデイサービス等ではただ立っているだけよりも組み合わせることでより、訓練した感が出るように思います。実際膝痛や腰痛等で姿勢矯正が必要な人も多いので有用です。

参考、引用:【プロ解説】ストレッチングボードで腰痛・膝痛を予防する正しい使い方

【プロ解説】ストレッチングボードで腰痛・膝痛を予防する正しい使い方 | 大阪市阿倍野区のパーソナルトレーニング| 30年以上の経験豊富なテレビ出演トレーナーが指導|どこでもフィット西田辺
こんにちは、大阪のパーソナルトレーナー小林素明です。「足首が硬いとどうなるの?」足首が硬くなると、簡単に捻挫をしてしまうことがあります。実は、若い人が足首をわざと固定して歩いた研究によると、膝の動きや歩幅が小さくなり、高齢者の歩き方に近くな...

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