#高齢者 #立位 #在宅ケア
高齢になり仕事を引退して家にいる時間が長くなるとついついテレビの前でじっと座っている時間が増えます。
また体調を崩してしまうとそれこそ臥床時間が増えます。体調が悪い間は仕方がないのですが、臥床坐位時間が増える→外で散歩する事や家で立って作業する時間が減る→立位時間が減ります。
高齢になり家での坐位時間が延長するとどういうことが起こるのか
在宅での坐位時間の延長、これは抗重力筋という筋肉や身体を支える骨の廃用(使わないことで身体の機能が低下する)につながります。
立位をとっている間は姿勢を保ち体重を支えるための抗重力筋が常に働いています。立位時間が減るということはその抗重力筋が働く時間が減ることにより抗重力筋の持久力が低下してきます。仕事している間は歩いて駅まで行き、電車に乗っても座れない場合は立っていて目的地まで歩く。その間は1時間でも2時間でも立ちっぱなしでいられた体力筋力は知らない間に衰えていきます。
買い物に行ってたまたま知り合いに会って話をし、用事をして帰ってきたら1時間以上立っていた。家族が多い間はは家事量も多くずっと座れず作業していたこともあったかもしれません。その間は運動程のことはできていなくても立位姿勢を保つための抗重力筋が働き、骨にはそれを支えるためにしっかりしなければいけないという信号が入っていました。
それが減るということは、宇宙飛行士さんがしばらく宇宙に行って帰ってきた時と同じようなことがおこっています。



高齢になって活動量が減り坐位時間が延長すると知らず知らずに若いころに立位をとっていることで自然に維持されてきた抗重力筋や身体を支える骨への刺激が減ったための筋力低下や骨密度の低下が起きてきます。
そこに体調を崩して寝込んだりすると、あっという間に立てなくなったり簡単に骨が折れてしまうことが起こりやすくなっています。でも頭の中では昨日のことのように元気で動けていた時のイメージがあるので、同じように動こうとして関節痛や筋肉痛が起きたり、転倒してしまうのはそのせいです。
体調を崩して寝込んで、あまり外出できない日が続いてさあいざ散歩に出かけようと出かけても、長い時間たっていられる持久力がなくては長い時間の散歩は難しいと考えてください。家ではしんどくなったら座る椅子もあるし、寝転がる場所もありますが屋外では座るベンチを探すのも大変ですし、人が多い場所ではそのベンチが空いているとは限りません。
散歩に行って歩く時間の1.5倍から2倍くらい楽に立てるようになってからにしないと疲れて腰痛やひざ痛がでたり、疲れてしまう事が容易に想像されます。またその経験が散歩に行くことを消極的にさせます。
立位をとることは外出しにくい時にも家でもできること
また近年地球温暖化の影響で災害級の暑さなどで外出しにくいこともしばしばあります。家で家事などで立ち働いている人は良いですがついついテレビの前で座ったままの時間が延長傾向にある人は意識して立つ時間を持ちましょう。
散歩に行ったつもりでその場で足踏みや段差昇降などすればいうことはありませんが立っているだけでも抗重力筋が働きますので立位や歩行に係わる抗重力筋の廃用防止になります。また骨にも体重を支えるという刺激が入りますので骨の再生を促します。さらに足踏みや段差昇降すれば効果はさらに上がるということになります。
何よりまた気候が良いときに散歩に行こうと思うのなら散歩に必要な時間は立位をとれているという耐久性がいります。ごく近所への散歩や買い物でも出かける準備等で30分はいります。出かける先が遠ければそれ以上です。休み休みでも立っている時間を増やしましょう。例えばテレビを見ていてもコマーシャルや短い番組は立ってみるようにするだけでも違うはずです。
意識して立位が安全に取れる時間が短縮しないように時間を測りながら立つ(立てる)時間を維持しましょう。手すりを持ってでも構いません。
また立つことが不安定な人や廃用防止をしたい人は座ってできるタキザワプログラム(メソッド)を続けてください。足関節回りの筋肉を収縮させ、動かすことで筋肉の廃用を防止し足関節が硬くなって立ちにくくなることを予防できます。
また筋肉と骨は絶えず壊れて再生していますので栄養摂取を怠るとそのことからもいつの間にか骨と筋肉が減る原因になります。高齢になっても骨や筋肉を作る成分は意識して摂取してください。
立位時間が延長できると要介護の人も在宅ケアが楽になります
私のデイケア等での経験では立っていられない人を介助しながら手すりを持って立つ練習をするだけでも日常生活の介助量が減りました。
重症の片麻痺の人や足の力が弱って自分の意志での運動が続かない認知症の人も手すりを持たせて足にしっかり体重をかけて(足底をつけて)立たせていると(必要に応じて膝折れ防止の装具などを使う)次第に踏ん張る力が出てきます。踏ん張る力が出ると膝折れ防止装具ははずします。
踏ん張る力が出て立っていられるようになると、保清や着替え、移乗等様々な日常生活の介助が楽になります。
デイケアに来ていた要介護5の人は自分からの発動性はありませんでしたがデイケアの個別訓練では立つ練習を中心に行っていただけで(もちろんスタッフの声掛けでタキザワプログラムも続けていました)10年近く家族の介助で団地の2階にある自宅までの階段昇降ができました。
自宅内も手つなぎ歩行で移動できていました。その為オムツは使用していましたが排泄もトイレでできました。
もちろん高次機能障害もあったのでタキザワプログラムを続けていたことで立ち上がり動作も日により自分で行う事できました。
立位が取れるということは在宅ケアには重要な要素です。
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