歩行と立ち上がりを支える足関節の重要な役割|高齢者の足首が硬くなる影響とは

足関節の様々な動きの図 パタ・コロ活用

#高齢者 #立ち上がり歩行 #足関節

「足腰が弱ったから立ち上がれない」と考えられがちですが、実は足首の動きが不足していることが原因の場合もあります。足関節は立ち上がりや歩行の際に重心移動を支える重要な関節です。本記事では、足関節が果たす役割と、機能低下が立ち上がりや歩行に与える影響について解説します。

足関節は脛骨・腓骨と距骨によって構成される関節で、足首を上に反らせる「背屈」と下に伸ばす「底屈」の動きを行います。

その他にも内反外反、内外転、それらを含む複合運動で凸凹や坂道等でバランスをとり、接地を調整して歩行や立位を安定させています。

日常生活では立位保持や歩行、階段昇降、立ち上がりなど様々な動作に関わっており、身体を支える重要な役割を担っています。

足関節の様々な動きの図
足関節を含む足の骨の構成

足関節が立ち上がりや歩行で重要な理由

まず足関節の説明を簡単に行います。

  • 足とすねをつなぐ関節
  • 体重を支える重要な関節
  • 歩行や立ち上がりで常に働いている

立ち上がりで足関節が果たす役割とは

立ち上がるときには重心を前方へ移動させる必要があります。

その際に重要なのが足関節の背屈です。

足関節が曲がらないと

  • 上体を十分前に倒せない
  • 重心が足の上まで移動しない
  • 足裏全体が床につかない

結果として

  • 手を使う
  • 反動をつける
  • 何度もやり直す

という状態になりやすくなります。

そのために必要な足関節の動きは背屈(足を上に反らせる動き)10度以上必要です。

足関節の背屈には前脛骨筋などが働きます。また、立ち上がりの際には下腿三頭筋も姿勢の安定に関与しています。これらの筋力が低下すると、十分な重心移動が行えず立ち上がりが難しくなることがあります。

立ち上がり動作に必要なことについてはこちら https://patareha.com/standing-up/

立ち上がり動作に必要なことー高齢になって立ち上がれない時やそれを防ぐために
高齢になってもなるだけ人の世話にはなりたくない、特に排泄に関しては自立していたいという人は多いです。それには自分で立ち上がってトイレに移乗できること、できれば立った状態で下着の着脱や清拭ができることが必要です。その為には自分で椅子から立ち上がれる立ち上がり動作の自立が重要になってきます。

参考・引用:『立ち上がり動作を容易に行うために必要な足関節背屈可動域の検討 ―床反力,股関節屈曲角度に着目して―』理学療法―臨床・研究・教育,19:23-26,2012)。https://www.jstage.jst.go.jp/article/ptcse/19/1/19_1_23/_pdf


歩行で足関節が果たす役割

歩行では足関節が次の3つの役割を担っています。

① 体重を受け止める

踵が接地した瞬間に衝撃を吸収します。その為には足関節や膝関節がスムーズに動いて衝撃を受け止めるための動きと筋力(張力)が必要です、

② 体を前へ運ぶ

脛が前方へ傾くことで重心移動を助けます。その為には足関節の底屈位から背屈位までのスムーズな動き及びふくらはぎの前側の前脛骨筋が働きます。

③ 地面を蹴り出す

つま先で地面を押し、推進力を生み出します。特にふくらはぎの筋肉である下腿三頭筋が強く働き、地面を蹴り出す推進力を生み出します。

歩行時の足関節の間瀬悦の動きのグラフです

図のように歩行する時には底屈や背屈域を動いていてこの動きが妨げられるとスムーズに足を運ぶことがが困難になります。

参考・引用:運動分析学/歩行分析(関節運動)          https://square.umin.ac.jp/haru-labo/kine/gait_kinematics.html

運動分析学入門:歩行分析(関節運動)

歩行に関わる足関節の主な筋肉

足関節の動きを支えている代表的な筋肉には、前脛骨筋下腿三頭筋があります。

前脛骨筋は足首を上に持ち上げる働きを担い、歩行中につま先が床に引っかからないようにしています。

一方、下腿三頭筋は地面を蹴り出す際に働き、前へ進むための推進力を生み出します。

これらの筋肉が弱くなると、すり足や歩幅の低下、歩行速度の低下につながることがあります。

正常歩行での筋活動を表したグラフです

足関節の機能が低下すると起こること

立ち上がり

  • 前傾しにくい(重心が十分に前に移動できない
  • 立ち上がりに時間がかかる
  • 足裏が床につかない為立ち上がれない
  • 転倒リスクが高まる(バランスがとり難い)

歩行

  • 歩幅が狭くなる(ちょこちょこ歩き)
  • すり足になる(蹴り出しができない)
  • つまずきやすくなる(つまさきがひっかかる)
  • 歩行速度が低下する

高齢者で足関節機能が低下する理由

高齢になると若いころに比べて怪我や病気などの健康トピックスが起きやすく。それがきっかけで廃用症候群に陥ることがあります。

  • 筋力低下
  • 関節の硬さ
  • 活動量低下
  • 長期間の座位生活

特にそれらが及ぼす足関節背屈可動域の低下は立ち上がり能力や歩行能力に影響すると説明できます。

廃用症候群についてはこちら https://patareha.com/haiyou/

廃用症候群とは―運動しないできない状況が続くと身体のいろいろな部分に起こる衰え
#廃用症候群 #高齢 #リハビリ廃用症候群とは過度に安静にすることや、活動性が低下したことによる身体に生じた様々な状態をさします。高齢になり活動性が低下するとこの廃用症候群が知らないうちに進行し、気がついた時には、「起きられない」「歩くことができない」などの状況が少なくありません。

立ち上がりや歩行を維持改善する パタコロを活用した足関節運動

パタコロを活用した足関節運動が勧められるわけ

  • 足関節の反復運動が行える
  • 下腿筋群を活動させる
  • 足首の動きを促す(足関節の動きを維持する)
  • 立ち上がりや歩行の準備運動になる

という流れです。

パタの運動についてはこちら https://patareha.com/pata/

パタパタの運動―踵からつま先にかけて踏み込むことで立ち上がる感覚を取り戻します
#立ち上がる #リハビリ #パタパタ運動タキザワプログラム(メソッド)の主要プログラムは元々老健や特養において大人数で車いすに座ったまま行っていたプログラムです。なので器具を持って行って装着してあげるとすぐ行える運動です。移動(移乗)がない…

コロの運動についてはこちら https://patareha.com/koro/

コロコロの運動ー立ち上がる時必要な足を手前に引く動作歩行自立度とも相関
タキザワプログラムの中の椅子に座ったままできるコロという器具を使った運動で立ち上がりの時必要な足を手前に引いて足裏全体に体重をかけるための動作の再学習に役立ちます。

まとめ

意外と見落とされやすい足関節は立ち上がりや歩行に欠かせない重要な関節です。特に背屈可動域や下腿筋群の働きは、重心移動や歩行時の推進力に大きく関わっています。

高齢になると活動量の低下や廃用症候群によって足関節機能が低下しやすくなります。その結果、立ち上がりの困難さや歩行能力の低下につながることがあります。

日頃から足関節の柔軟性や筋力を維持することが、自立した生活を続けるための大切なポイントです。


パタコロを活用した運動を利用したタキザワ式リハビリについては

タキザワ式リハビリに関して詳しくはこちら https://patareha.com/takizawa-method/

タキザワ式リハビリとは?|創動運動による高齢者の立ち上がり訓練
タキザワ式リハビリとは、創動運動を中心にした高齢者向けリハビリの考え方です。強い負荷ではなく、軽運動を反復することで立ち上がりや歩行能力の維持・改善を目指します。後期高齢者や廃用症候群にも対応しやすい特徴があります。英語にするとタキザワメソッドとなります。

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立ち上がり歩くためのレディメイドリハビリプログラム-タキザワプログラム(メソッド)
高齢社会がきて介護する人も高齢。そんな時自分でできる立ち上がり歩くためのレディメイドリハビリプログラムがあります。このプログラムは簡易な器具を使って、自分で行ってもらう軽い運動が中心なので誘導するスタッフや術者また運動する人たちにも負担の少ない安全なプログラムであり使う器具での運動は介護自立度との相関性もあります。

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