創動運動とはー患側を健側で動かす自律訓練を日本語で「創動運動」として造語

タキザワプログラムをサーキットトレーニングにしたイメージ タキザワプログラム関連

#タキザワプログラム(メソッド) #創動運動

バイオフィリア研究所やバイオフィリアリハビリテーション学会にはよく創動運動という言葉が出てきます。これはいったい何なんでしょう。バイオフィリア研究所の滝沢茂雄氏曰く、創動運動とはー患側を健側で動かす自律訓練を日本語で「創動運動」として造語したものであるとのことです。

創動運動とは

バイオフィリア研究所の滝沢茂雄氏の説明によると研究開始当初、患側を健常の側で動かす自律訓練を表す言葉を、日本語で「創動運動」として造語しました。 この運動は滝沢メソッドの核心です。 誰でもどこでも簡単に使えて、成果が得られます

英語では、モチベイティブエクササイズと言います。

これは、患者自身の意思を重視し患者自身が行いたいと考えることと、術者が患者を励まして患者自身や術者の助けでやらせるという、2つの行為を一つの言葉で表すものでもあります。日本で商標として登録済みですが、自由に使ってもらいたいと考えています。

ということです。

創動運動に関しての福井國彦先生の論文

この研究の名誉会長を務めていた福井國彦先生は老人保健施設湘南の丘の施設長を務めた際滝沢恭子PTの行っている器具を使った運動法を受けている多くの入所者の痙性が少なく歩行自立していく様子を見て論文を書いています。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/brj/3/1/3_1_27/_pdf/-char/ja より引用

臨床の現場でこの創動運動を取り入れてみた結果

私は福井先生の講演を聞き、論文を読んでこれを健側主導で行う、両側交互運動(左右交互に動かす運動)、および相同運動(左右同時に同じように動かす運動)の反復運動と解釈しています。

私の運営していたデイケアでは

上肢の両側交互運動をプーリーで、両側相同運動をタオルサンディングと称した机のタオル拭き動作。

下肢の両側交互運動をミニサイクルもしくはエルゴメーターで、両側創動運動をパタとコロの運動で行っていました。

麻痺があっても簡易装具やマジックテープのついた伸び縮みのきくベルトで器具に固定できるようにすることで自由に動かない麻痺側も5分→10分と運動することができます。発動性のない重症の方以外はこの方法によって自分で運動してくれていました。発動性のない方もスタッフの声掛けや手伝いで少しずつ運動量が増えていました。

意外にも簡易器具の為複数置いておけて軽症の人も一緒に同じ運動する機会がとり易かった為か一緒に運動する軽症の方が声掛けをしてくれることが多くありました。

またこの運動は麻痺や疾患を問わず、自立、要支援要介護(介護のいる人は器具の取り付けなどは介助がいりましたが)を問わず簡単に運動開始できて座ったままでも安全に手足を動かすことで廃用性の筋委縮や関節可動域の低下を予防改善する効果が期待できます。マンツーマンでの運動以外での運動量確保にもつながりました。

また20分の個別訓練以外にもこの方法での自主トレを続けることで発症後2年以上経過した脳卒中後の片麻痺の利用者に麻痺ステージの改善が見られたのでバイオフィリアリハビリテーション学会で発表しています。

デイケアで2年以上経過しても機能改善が見られた症例の発表
2007年バイオフィリアリハビリテーション学会発表より

パワーマシンも3台置いていましたが、移乗の際転倒の危険もあり、スタッフにも負担をかけることが多く。麻痺などがあると使えない人も多くいましたが、この簡易器具で行う創動運動は重症者から軽症者まで利用できてスタッフも器具の取り付けの手伝いこそあるものの、移乗介助や転倒の心配をせず使用できるので積極的にこの運動を誘導してくれていました。

パタやコロの運動は歩行自立度とも相関性があることが研究で証明されているので軽症の方にも有用です。

コロコロの運動と介護度との相関を発表した演題を抜粋した図
2016年バイオフィリアリハビリテーション学会発表の抜粋
バイオフィリア・リハビリテーション学会2014年大会ポスター
滝沢茂男、田中敏幸、甘利明,経済再生大臣清家篤,慶應義塾塾長,歩行再獲得,自律リハビリ,脳血管障害,健側駆動患側訓練,自分でできるリハビリ
バイオフィリアリハビリテーション学会で発表したパタ運動の解析抜粋
2015年バイオフィリアリハビリテーション学会発表の抜粋
バイオフィリア・リハビリテーション学会2014年大会ポスター
滝沢茂男、田中敏幸、甘利明,経済再生大臣清家篤,慶應義塾塾長,歩行再獲得,自律リハビリ,脳血管障害,健側駆動患側訓練,自分でできるリハビリ

また軽運動の組み合わせであるため、バイタルサインの変動も少なく複数の疾患を持っている虚弱な後期高齢者や障害者にも座ったまま安全に運動してもらえます。

2012年のバイオフィリアリハビリテーション学会で発表した創動運動前後のバイタルサインの変化の報告
2012年バイオフィリアリハビリテーション学会発表の抜粋

また自分でする運動により他動運動より脳の活動も活発になります。

2011,2015年バイオフィリアリハビリテーション学会発表の創動運動時の脳活動についての抜粋図
2011,2015年バイオフィリアリハビリテーション学会発表の抜粋

バイオフィリア研究所 創動運動時の脳活動研究  https://www.biophilia.biz/soudo/03.shtm

PT滝沢恭子のよる創動運動=パタコロ(足関節下肢訓練具)の使用報告

またPT滝沢恭子のよるパタコロ(足関節下肢訓練具)の使用報告によれば主に脳血管障害に因る片麻痺、大腿骨頚部骨折、大腿骨骨折、下腿骨骨折、腓骨神経麻痺、アキレス腱断裂、多発性神経炎、その他何らかの疾患により下肢機能低下をきたした症例のリハビリに使用したとしている。

PT滝沢恭子のPT27年間の中、一般病院勤務の19年間、片麻痺のリハビリに急性期より本器具を使用し訓練を行ったが足関節の尖足拘縮(足が下向きに固まって足底が床に平らにつかない状態)になった症例が一例もなく、自ら積極的に訓練して機能改善に有効であった。

その後勤務した老人病院では慢性期片麻痺の症例で長期臥床により内反尖足拘縮が強まり下肢装具装着困難になっている症例にパタコロ(足関節下肢訓練具)の使用した結果足関節拘縮の改善、装具装着可能になり歩行へと進んだ症例が7症例あった。

下肢骨の骨折症例に関しては骨折後無理な(痛みのある)矯正を行うことなくリハビリが勧められたと報告している。

報告のまとめとして下肢訓練具として種々の訓練具があるが患側のみで行うものでは訓練時期の制約があるが、この器具はリハビリ開始後腰かけ坐位が可能となった時点より小児から老齢者まで年齢を問わず、下肢機能改善、特に関節可動域訓練にに早期より容易に使用できる

また両足をのせ健側下肢介助のもとに患側の状態により加減しつつ無理なく使用可能で安心してどこでも使用できる。この器具を使った訓練(運動)は、小児から老齢者の全てが痛みなく、リハビリがらくにできると自ら積極的に訓練し、機能改善に有効であったとしている。

これから来る人類未経験の超高齢社会、自立した生活には立てる歩ける能力が不可欠です。手軽に運動できて歩行自立度にも関係する運動でもある創動運動是非生活に取り入れてみてください。

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タキザワプログラム(メソッド)に興味を持った人には

この方法の研究に関しては

バイオフィリア研究所https://www.biophilia.biz/ (モバイル用)https://www.biophilia.biz/keitai

バイオフィリアリハビリテーション学会https://www.biophilia.info/

国際バイオフィリアリハビリテーション学会https://www.biophilia.pw/index.html

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