家や施設で座っている時間が長くなってくると、知らず知らずのうちに背中が丸くなって姿勢が悪くなってくる人が大勢います。また脊椎の圧迫骨折の後はつぶれた骨に合わせて他の骨もつぶれて変形するのを予防しましょう。
特に腰痛や圧迫骨折のある人は姿勢が悪い=背骨に負担をかけるそして背骨自体が変形していくという悪い連鎖が待っています。
ではどうすればよいか
壁に背中をつけて立つ方法
立ってできるのはまずは壁に背中をしっかりつけて立ちましょう。
広い壁がなければ柱でも構いません。踵の後ろを壁につけてまっすぐ立てないともうすでに背中が曲がり始めています。猫背の人は肩甲骨が壁につかなくなっていることがありますのでチェックしてください。
背中の曲がりが気になる人はすでにぴったりつくことが困難になっていることが多いはずです。でも今より悪くならないように意識を始めることが最初の第一歩です。

首を伸ばす筋肉が弱って、すでに曲がって変形してきている人は背中をぴったりつけると頭はもう壁につかなくなっているかもしれません。そういう時は無理に首をそらして壁につけようとせず、顎を引いてなるだけ上に伸びあがることを意識してください。
踵を前にずらしたら背中がぴったりつくなら背中をつけたまま少しずつ踵を壁に近づけていきましょう。その時鏡等があれば自分の姿勢をチェックしながら行えるのでできれば鏡の見えるところで行うと良いでしょう。
よくリハビリ施設にある大きな鏡は姿勢矯正鏡といいます。百聞は一見に如かず。この方法も自分で無理のないところから時間を増やしていきましょう。
この壁に背中をつける方法はタキザワプログラムを行っていた滝沢恭子先生が実践していた方法です。病気で栄養状態が悪くなり、何度も脊椎の圧迫骨折や大腿部の骨折をされていましたが、自分で歩いてトイレに行き、座った姿勢もきれいでした。姿勢の話をすると自ら歩いて玄関に行って玄関口の鏡を見ながら柱に背をつけて「こうやって練習しているのよ。」と教えてくれました。大切な最後の思い出です。
良い姿勢を保つのには耐久力がいります。少しずつ背中をぴったりつけて立てる時間の耐久力を伸ばしていきましょう。最初は1分でも2分でもできれば5分、10分と伸ばしていきましょう。耐久力がないと歩いているうちにどんどん背中が曲がっていきますよ。
壁に向かって立つ方法
もう一つは逆に壁に向かって立ってなるだけ高いところまで手を上げます。デイサービス等の施設で肋木がある場合は一番高くまで手を伸ばして持てるところを持ってそのまま無理のない範囲でその手先を見るように姿勢を保ちます。
タキザワプログラムでの肋木を使って立つ訓練をするときにも背中の曲がりが気になる人はなるだけ手の挙げられる上の段を持って目線を上に向けるように意識してください。
キッチンタイマー等で目標時間を少しずつ伸ばしていきましょう。良い姿勢で立つのも持久力が必要です。そして余裕が出てきたら、交互にその手をさらに後ろにそらせたり、足を交互に後ろに持ち上げましょう。姿勢を伸ばす筋肉がさらに強くなり、姿勢矯正ができます。

参考図、文献:公益財団法人日本理学療法士協会 理学療法ハンドブックより
https://www.japanpt.or.jp/about_pt/asset/pdf/handbook01_16-23_compressed.pdf
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