#脳卒中 #リハビリ #慢性期
高齢になると高血圧などの生活習慣病や動脈硬化。脂質異常などの脳卒中の危険因子を抱える人が増えて脳卒中を起こす確率が増えていきます。先ずは生活習慣を改善し予防しましょう。
また発症したけれど軽い症状ですんだ人も再発率が高いので危険因子の管理のため運動を続けていくことが大切です。不幸にも発症して後遺障害が残った人も生活能力維持や神経症状の緩和のための運動は欠かせません。また早期から始めることで後遺症を軽くできる可能性もあります。ここではそういう可能性を持った器具を使った自分でできるリハビリ法を紹介します。
脳卒中とは
脳卒中とは脳出血、くも膜下出血、脳梗塞などの頭の血管に起こる病気(脳血管障害)のことをいいます。
脳は心身機能の指令塔である中枢神経の集合体であるためそこに障害を受けると多種多様な症状が出ます。また中枢神経は再生困難であるために残念ながらいろいろな障害が残ることが多いです。また神経障害は精神緊張や寒冷等で強くなることもあり長期にわたってコントロールが必要なこともあります。

まずは予防第1で万が一発症してしまったときは一刻も早い治療が必要です。治療で中枢神経の損傷を最低限におさえてその後も再発しないように管理するドクターとのお付き合いが肝心です。
リハビリとしては早期であればあるほど神経の回復の可能性が高いのでできるだけ早期に適切なリハビリを提供して障害から身体機能を回復させることが目標となります。急性期ののち回復期と呼ばれ手厚い医療が受けられます。
引用・参考:
公益社団法人 日本リハビリテーション協会 理学療法ハンドブックシリーズ2 脳卒中より
https://www.japanpt.or.jp/about_pt/asset/pdf/handbook02_whole_compressed.pdf
脳卒中後集中してリハビリを受けられる期間は限られています
その回復期(概ね半年が)過ぎると医療保険がきかなくなり始めて、リハビリを受けられる頻度が減ります。また合併症などでリハビリが十分できなくても期間が過ぎると医療ではなく介護保険に移行が勧められます。
そうなるとお金があって環境が整っている人は自分で費用をかけてリハビリを続けるか介護保険でのリハビリを続けるかになりますが、介護保険では他にも生活の援助(家事や着替え、入浴、排せつなどの身体介護)も賄わなければならない為リハビリばかりに予算を費やすわけにはいかず、サービスが十分にあるとも言えません。
そうなると折角受けたリハビリにより取り戻した心身機能をいかに維持させてできれば少しでもさらに回復したいと思うのならば自分で動いてリハビリを続けることが重要になってきます。
また神経麻痺により麻痺側には痙縮という寒さや緊張、不動により筋肉のこわばりが強くなる。もしくは筋肉の緊張が低下する。という症状が残ることが多く、コンディションを整える運動やストレッチを続けないと折角回復したと思った身体機能が低下してしまう、廃用が起こりやすい状態になります。
また高次機能障害や認知症などが出ると繰り返し動作を反復しないと動作方法(手順)がわからなくなり、そもそも動こうと思う発動性が低下してしまう傾向があります
。
慢性期脳卒中の機能維持に役立つ自分でもできるリハビリタキザワプログラムとは
タキザワプログラム(メソッド)は生活に必要な立ち上がり機能を維持するための繰り返しプログラムを行うことで廃用を防ぎ、基本の機能を保つことに役立ちます。
また創動運動と呼ばれる器具を使うことで健側(麻痺のない側)を動かすことにより患側(麻痺側)を動かすことが廃用の防止だけでなく健側の動かそうとする機能の再学習ができていると考察されています。
福井國彦先生の論文の両側性か交互性の反復運動による効果かもしれません。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/brj/3/1/3_1_27/_pdf/-char/ja より引用
医療で手厚くリハビリをしてもらえる期間を過ぎてもまだ回復を諦められない人や折角リハビリで得られた身体能力を維持したいと考える人はこの基本のプログラムを行いながら更なる回復や維持をしていってほしいと思います。
実際にデイケアに来られていた方でも発症から1年以上過ぎても麻痺の度合いが回復してきた例が多くありました。残念ながら加齢による心身機能の低下にはあらがえませんでしたが重症な人でも車いす主体の生活をしながらも10年以上階段を上り下りの必要な自宅で生活した人たちもいました。

継続は力なりという格言そのものです。
高次脳機能障害や認知症で身体能力はあるのに動作手順を忘れてしまう人にも立ち上がり動作の繰り返し学習に役に立つと思われます。専門家にリハビリを行ってもらえるのが1番ですがとりあえずは自分でやっておく、もしくは介助者がさせる運動としては手ごろで効果的です。
PT滝沢恭子氏のよる創動運動=パタコロ(足関節下肢訓練具)の使用報告
またPT滝沢恭子のよるパタコロ(足関節下肢訓練具)の使用報告によれば主に脳血管障害に因る片麻痺、大腿骨頚部骨折、大腿骨骨折、下腿骨骨折、腓骨神経麻痺、アキレス腱断裂、多発性神経炎、その他何らかの疾患により下肢機能低下をきたした症例のリハビリに使用したとしています。
PT滝沢恭子のPT27年間の中、一般病院勤務の19年間、片麻痺のリハビリに急性期より本器具を使用し訓練を行ったが足関節の尖足拘縮(足が下向きに固まって足底が床に平らにつかない状態)になった症例が一例もなく、自ら積極的に訓練して機能改善に有効であった。
その後勤務した老人病院では慢性期片麻痺の症例で長期臥床により内反尖足拘縮が強まり下肢装具装着困難になっている症例にパタコロ(足関節下肢訓練具)の使用した結果足関節拘縮の改善、装具装着可能になり歩行へと進んだ症例が7症例あった。
下肢骨の骨折症例に関しては骨折後無理な(痛みのある)矯正を行うことなくリハビリが勧められたと報告しています。
報告のまとめとして下肢訓練具として種々の訓練具があるが患側のみで行うものでは訓練時期の制約があるが、この器具はリハビリ開始後腰かけ坐位が可能となった時点より小児から老齢者まで年齢を問わず、下肢機能改善、特に関節可動域訓練にに早期より容易に使用できる。
また両足をのせ健側下肢介助のもとに患側の状態により加減しつつ無理なく使用可能で安心してどこでも使用できる。この器具を使った訓練(運動)は、小児から老齢者の全てが痛みなく、リハビリが楽にできると自ら積極的に訓練し、機能改善に有効であったと発表しています。
脳卒中後の片麻痺は病院退院後も神経損傷からくる後遺症に関しては継続的なケアが必要になります。自分でも簡単にできる器具での運動は急性期から慢性期まで有効ですのでできれば是非取り入れることをお勧めします。
脳卒中後のリハビリにも有益なタキザワプログラム(メソッド)に興味を持った人には
- お勧め理由―座ったまま器具を使ってすぐできる運動は隙間時間を有用に埋めます
- タキザワプログラムー超高齢社会は介護してくれる人も高齢ー自分でできるリハビリ
- 立ち上がり動作との関連性-立ち上がれない時何ができていないかチェックしましょう
- 運動の種類ー簡易な器具を使って座ったまま始める立ち上がりサーキットトレーニング
このリハビリ法の研究に関しては
バイオフィリア研究所(PC用)https://www.biophilia.biz/
(モバイル用)https://www.biophilia.biz/keitai
バイオフィリアリハビリテーション学会https://www.biophilia.info/
国際バイオフィリアリハビリテーション学会https://www.biophilia.pw/index.html
ホームに戻るには https://patareha.com
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