タキザワプログラム(メソッド)の主要プログラムは元々老健や特養で大人数で車いすに座ったまま行っていたプログラムなので器具を持って行って装着してあげるとすぐ行える運動です。移動(移乗)がないのでスタッフにも利用者さんにも負担が少なく軽運動ができます。
もちろん在宅時間が長く運動不足気味の人にも座ったままテレビを見ながら、作業しながらでも気軽に行えます。
その主要プログラムの一つとしてコロという器具を使った創動運動と名付けられた運動です。

コロコロの運動
タキザワプログラムの中の椅子に座ったままできるコロという器具を使った運動で立ち上がりの時必要な足を手前に引いて足裏全体に体重をかけるための動作の再学習に役立ちます。脳卒中で片方に麻痺のある人も麻痺のないほうの足と一緒に動かせるので可動域の維持や運動の再学習に役立ちます。
台に車がついた器具で足を乗せて前後に動かします。
回転させてもいいですがその際も足をなるだけ手前に引くことを意識してください。
足首やひざの動きが低下した人や脳卒中などで麻痺がある人は動かしにくいとは思いますが良いほうの足と一緒に動かすことで動きが悪くなるのを防ぎます。
また足をなるだけ手前に引き寄せる動作はつま先を上げる前脛骨筋がしっかり働かなければできないため歩く際のつま先のひっかかり防止のための前脛骨筋の強化につながります。

この足を引く動作は立ち上がりの開始動作でもありこの動作ができない人は立ち上がりが困難になります。試しに足を引かないで立ち上がろうとしてみるとよくわかると思います。
足の力はあるのになぜかうまく立ち上がれない人にはこの足を自分の方へ引き込む動作が十分にできていないために立ち上がろうとして後ろに反り返って介助してくれる人を引っ張ってしまう人や、なんとか自分で立ち上がってもすぐ後ろにしりもちをついてしまうというのが多い気がします。
デイケアで利用していた際には内股の筋肉が弱っていて膝と膝の間が開いてしまい上手に動かせない人がいましたがスタッフが伸縮の効くマジックテープのついたベルトで膝と膝を結んであげると上手に動かせていました。
また下腿が短く踵が浮き気味になる人は3㎝程の台を椅子の下にセットしてあげていました。
このようなありがたい工夫もデイケアで使い続けられた要因です。
コロコロの動かす可動域や回数は歩行能力や介護度と相関がある
コロコロの動かす可動域や回数は歩行能力や介護度と相関があることが研究でも明らかになっているのでしっかり動かせるようになれば歩行能力も上がるかもしれません。実際歩行中に常に使っているのはこの前脛骨(脛の前側の筋肉)と下腿三頭筋(脛の後ろ側の筋肉)といわれるこれらの筋肉を収縮させることでむくみやすい足の循環改善効果も期待できます。

コロコロの運動時の片麻痺の人の筋電図及び関節可動範囲を計測した結果では立位に必要な筋肉に筋活動が認められ、下肢の可動範囲も痛みをひきおこさず関節全体が動かせたことによりリハビリに有効性があるとの推測も報告されています。
下肢創動運動における筋電図及び可動範囲の解析より引用https://www.jstage.jst.go.jp/article/brj/2/1/2_1_45/_pdf/-char/ja
これは立位に必要な筋肉の廃用(使わない為に弱っていくこと)足の関節の動きが悪くなることの予防になるということです。
足関節の怪我やアキレス腱の損傷などで使う場合はいろんな方向に動かしてそこで止める練習をすることで柔軟性や足の制御を再学習するのにも役立ちます。
コロコロの運動で主に使う前脛骨筋や下腿三頭筋は膝周りの筋肉は歩行の際絶えず使用している筋肉なので自分で動かして収縮させることで、散歩に行けないときそれらの筋肉の廃用(使わないで弱ってしまうこと)や関節の動きが悪くなることを予防できるはずです、散歩に行けない日は代わりにこれで運動しましょう。
運動回数については寝たきり(臥床安静)が長く座れる時間が短い、立ち上がるのも不安定な人は20回でも十分です。立ち上がれるようになって少しずつ歩くようになったら1分位
家の中の移動ができてもうすこし歩く距離を伸ばしたい人は5分位(私の運営していたデイケアの利用者さんは大概5分位運動できていました。
パタやコロの運動で使う筋肉は歩行する際に絶えず使用する筋肉なので無理のない範囲で自分のペースで運動してください。
高齢者は若年者と比較して筋損傷が大きく、回復に長い時間を必要とします。
大半の高齢者がサルコペニアの状態であることを考慮すると、その後のADLや継続した訓練に影響を与える可能性が高くなります。
高齢者の場合パタやコロを使った運動等の低負荷高頻度の運動を無理なく継続することも重要になっています。
参考・引用:【高齢者・運動強度】リスク軽減!効果を上げる筋力トレーニングの負荷量設定


また自分でする運動により他動運動より脳の活動も活発になります。

これから来る人類未経験の超高齢社会、自立した生活には立てる歩ける能力が不可欠です。手軽に運動できて歩行自立度にも関係する運動でもある創動運動是非生活に取り入れてみてください。
バイオフィリア研究所 創動運動時の脳活動研究 https://www.biophilia.biz/soudo/03.shtml
タキザワプログラム(takizawa method)に興味を持った人は
- お勧め理由―座ったまま器具を使ってすぐできる運動は隙間時間を有用に埋めます
- タキザワプログラムー超高齢社会は介護してくれる人も高齢ー自分でできるリハビリ
- 立ち上がり動作との関連性-立ち上がれない時何ができていないかチェックしましょう
- 運動の種類ー簡易な器具を使って座ったまま始める立ち上がりサーキットトレーニング
この方法の研究に関しては
バイオフィリア研究所https://www.biophilia.biz/ (モバイル用)https://www.biophilia.biz/keitai
バイオフィリアリハビリテーション学会https://www.biophilia.info/
国際バイオフィリアリハビリテーション学会https://www.biophilia.pw/index.html
ホームに戻るには https://patareha.com
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