なぜ自分でできるリハビリのコツを知る必要があるのかー自分で立ち上がり歩ける方法

タキザワプログラムをサーキットトレーニングにしたイメージ タキザワプログラム関連

#高齢者 #リハビリ #大腿骨頚部骨折

自分でどうやったら立ち上がれるのかリハビリの方法を学んでおくことは重要です。

高齢になると健康に気を使っている人でも健康トピックス(疾病罹患、白内障や緑内障等の加齢による眼病、難聴、不意の転倒、変形性関節症‥など)が増えてきます。

治療のためやむなく臥床期間が伸びることもあります。またこのところの気候変動による気象災害により外出困難な日も多くなっている気がします。

高齢になっての怪我や病気で体力や筋力を落とさない為に

外出しないからといって家の中でじっと座ってテレビを見ている時間が長くなると、特にソファー等でゆったりもたれて座っているとほぼ寝たきりと同じ状態で抗重力筋も働かなければ関節も動かさない筋肉も骨も廃用が進みます

またテレビは映像や音声などで何も考えずとも受け身ですむ為よっぽど関心を持ってメモを取りながら見るなどしないと脳も働きません。ラジオの方が音声を理解し情報を入力しなければいけないのでボケ防止や難聴に早く気づけそうです。

話はそれましたがテレビを見たまま座っている時間が増えてきたらせめてコマーシャルの間は立って足踏みするか、立っているだけでも抗重力筋や骨にも荷重刺激が入ります。それが面倒ならせめて背もたれから背を離しましょう。

またパタの運動等器具を足元に置いておいて少しずつ運動しながらテレビを見ると下肢の循環や筋力低下をある程度は防げます。(その時はなるだけ背もたれから背を離すとより効果的です)

体力維持が寝たきりを防止するイメージを表したグラフ

いざという時、また自分で動けるようになるためには日ごろからの運動習慣で筋力や体力を保っておくことが重要です。

なぜ自分でできるリハビリのコツを知っておく必要があるのか

それは健康トピックスに直面した時にすぐに適切なリハビリテーションを受けられるとは限らないからです。

昔と違って今は長期の入院はさせないのが病院の方針です。リハビリを受けられても早期退院が目標だととにかく立って歩いて家に帰れば良しとなります。

ところが何とか移動ができて家に帰っても病気や療養のため体力が落ちていると1日何度もトイレに行くだけで疲れます。その上に家事をする体力がなくてすぐに転んでしまったり、関節痛や筋肉痛が出て容易に動けない状態になります。

退院した後も介護保険を利用してリハビリを受けることはできますが、入院中とは違って毎日受けることができず時間も限られています。一人暮らしなどで生活援助もしてもらわないといけない人はリハビリの為の点数が足りないこと(介護保険は重症度によって使える点数が限られています)もあります。

その為自分で安全に体力や筋力をとり戻していくためにどうしたらよいのか。自分でできるリハビリのやり方を知っていれば合間時間に休み休み自分のペースで体力や筋力を戻していけるためです。

タキザワプログラム(メソッド)を実践していた滝沢恭子先生も不意な事故で大腿骨を骨折しましたが、担当の理学療法士や主治医の許可を得て合間に自分でリハビリすることによって1か月で職場復帰できました。

かくいう私もこのエピソードをみて自分や両親のためにこの器具を確保して、いつでも手に入るようにしたいという願いの元この研究に参加しています。

ロボットや高額なリハビリマシーンは数が少なく誰にでも使わせてもらえるものではありません。タキザワプログラム(メソッド)に必要な簡易器具は自分で購入することもできます。

高齢社会では介護してくれる人も高齢になっているので、自宅での生活を続けるのは自分で立ち上がって歩けるもしくは車いすや歩行器など使って自宅内は自力で動けることが必須です。いざという時のために自分でどうやったら立ち上がり歩けるのか知っていれば自力で動けなくなる不安が少しでも解消できると思いませんか。

PT滝沢恭子氏の2001年の大腿骨頚部骨折後のリハビリの実体験の紹介

しゃがんだ姿勢から立ち上がろうとしたとき、後ろから後ろから来た人に誤ってけられ転倒し大腿骨頚部骨折。骨折すると非常に痛いことを体感。

受傷翌日MRIにて単純骨折であること判明し内固定術なら1か月で退院できるとのことで、受傷6日後手術(ハンソンピン2本によるない固定術)を受ける

術後患肢の腫れと痛みがひどく動けない為バルーンカテーテル抜去(導尿の管を外す)を1日延期その後は自力移乗でトイレ動作を行うが痛みが強く非常に大変だった。

術後7日よりリハビリが開始するも下肢全体の痛みが激しく15㎏の荷重がやっとだった

ドクターと担当PTの許可を得て土日(その頃は土日は訓練休み)自分で朝晩20回ずつ下肢創動運動(パタパタ、コロコロの運動)開始。

パタコロを利用する滝沢恭子氏

10日には痛み軽減し30㎏荷重が可能になる。

関節を動かすことはベッド上では自分で動かすことができなかったので平行棒内で健側の足下に6㎝位の板を置き患側の下肢を浮かしたまま股関節前(屈曲)や後ろ(伸展)や横(外転)、膝の屈伸運動を自主トレ開始。

平行棒で立って運動して筋力強化する滝沢恭子氏

11日には可動域が屈曲120度まで改善。

12日目に予定より早く抜糸。自分で考案した安定感の高いそり付き歩行器で歩行開始。

17日目杖歩行試し不安定だが、患側には40㎏(体重の73%)荷重可能になる。

その間病棟でパタパタ、コロコロ30回と1㎏の重錘バンドで筋力強化、柔軟の自主トレ続ける。

21日目杖歩行安定。

術後22日目に杖歩行で退院。

退院後家でも自主トレ続けながら杖歩行距離を徐々に伸ばす。

術後28日、受傷後34日で復職するも膝と足指に違和感と踏み返しが不十分である自覚あるも自主トレの回数負荷を増しながらも疲労のない程度に続ける。

術後43日外来で骨癒合は良好といわれる。

術後60日正座が可能になる。

術後4か月筋力の左右差なく杖なし歩行が可能。

私は大腿骨骨折の話を聞いたときすでに70歳を超えての現役PT生活が引退になるのではと危ぶみましたが、1カ月で現職復帰したと聞いて正直驚きました。仕事に早く戻りたいというモチベーションが強くあったからとは思いますが、この方法を誰もが知っていれば同じような不幸なエピソードがあった時自分も回復できるであろうと希望を持ちました。

いざという時の簡易器具(パタコロ)が自分に必要になった時存在していてもらうために、この研究活動を続けてきました。そのおかげでデイケアの隙間時間を有用に埋めるのにも役立ちました。

参考、引用:介護依存から自立へ1 監修 木村哲彦    シビル出版

関連書籍

介護依存から自立へ1の表紙

介護依存から自立へ1  監修 木村哲彦    シビル出版 

この方法の研究に関しては

バイオフィリア研究所(PC用)https://www.biophilia.biz/

(モバイル用)https://www.biophilia.biz/keitai

バイオフィリアリハビリテーション学会https://www.biophilia.info/

国際バイオフィリアリハビリテーション学会https://www.biophilia.pw/index.html

自分でできるタキザワプログラム(メソッド)に興味を持った人は

ホームへ戻るには https://patareha.com

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