要介護の手前のフレイルは高齢になると誰でもなる可能性有―食事と運動で予防改善

フレイルの為立ち上がれなくなり戸惑っているような人のイラスト タキザワプログラム関連

#高齢者 #フレイル

高齢になって活動量が減ると知らず知らずに若いころに立位をとっていることで自然に維持されてきた抗重力筋や骨への刺激が減ったための筋力低下や骨密度の低下が起きてきます。近頃は夏の異常な暑さや梅雨や台風、寒暖差、豪雪などで散歩の機会が減り、いろいろな加齢による疾患の発症で安静を余儀なくされることもあります。活動量が減っているところに夏の暑さや疾患による食欲不振で体重が減るとたちまちフレイルの危険性が高まります。

フレイルとは健康と要介護の間の虚弱な状態

フレイルとは、病気ではないけれど、年齢とともに筋力や心身の活力が低下して介護が必要になりやすい健康と要介護の間の虚弱な状態です。特に後期高齢者(75歳以上)の多くはこの状態を経て要介護状態になると考えられています。

またこの状態のうちは運動や活動量を上げて体力が回復すればある程度健康な状態に戻れる可能性がある(可逆)状態とも言えます。ただ一度低下した筋力や心身の活力を取り戻すのは若い時以上に時間がかかり介護保険などの社会資源の介入が必要になることも多いです。できればこの状態に陥る前に予防することが重要になってきます。

フレイルには身体的、心理的、社会的な原因があります。

フレイルの基準

 フレイルの基準には、さまざまなものがありますがFriedが提唱したものが採用されていることが多いです。Friedの基準には5項目あり、3項目以上該当するとフレイル、1または2項目だけの場合にはフレイルの前段階であるプレフレイルと判断します。

  1. 体重減少:意図しない年間4.5kgまたは5%以上の体重減少
  2. 疲れやすい:何をするのも面倒だと週に3-4日以上感じる
  3. 歩行速度の低下
  4. 握力の低下
  5. 身体活動量の低下
フレイルの基準を表した図です
高齢者の歩行能力と病気の関連 | 健康長寿ネット
歩行は日常生活動作において重要な機能で、歩行能力の低下は日常生活動作(ADL)レベルの低下につながります。歩行能力のうち高齢者の身体機能の指標となる歩行速度は、高齢者の生活機能低下に大きく関わるフレイル、サルコペニアの評価基準としても用いら...

公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネットより引用

フレイルの原因

 フレイルは、以下のような加齢に伴う心身の変化と社会的、環境的な要因が合わさることにより起こります。一つの原因からでも悪循環が起こってきやすくなります。

  • 加齢に伴う活動量の低下と社会交流機会の減少
  • 身体機能の低下(歩行スピードの低下)
  • 筋力の低下
  • 認知機能の低下
  • 易疲労性や活力の低下
  • 慢性的な管理が必要な疾患(呼吸器病、心血管疾患、抑うつ症状、貧血)にかかっていること
  • 体重減少
  • 低栄養
  • 収入・教育歴・家族構成など
加齢に伴う心身の変化と社会て、環境的な要因でのフレイルサイクルを表した図です
フレイルの原因/健康長寿ネットより引用 https://www.tyojyu.or.jp/net/byouki/frailty/genin.html

高齢者の自立した生活には足腰が弱ってきたサインを見逃さず早めに対策しましょう

自分や家族が自覚できる足腰が弱ってきている(フレイル)のサイン

  • 歩行速度が落ちる:信号が渡り切れない。
  • 立ち上がるのに時間がかかる。立ち上がれても座る時にゆっくり座れず途中で脱力してドスンと座る。圧迫骨折の危険が高まります。
  • 片足で30秒以上たっていることができない:下履きの着替えが立って行うと不安定になり、転倒骨折の危険が高まります。
  • 20㎝程度の低い台から立ち上がれない:和式トイレが使えない。筋力低下のみならず股関節や膝、足関節の柔軟性が低下しても困難になります。
  • ペットボトルのふたが開けられない;握力低下
  • 体重が減る:フレイルの兆候でも意図せず6か月以内に2㎏以上体重が減るとあります。低栄養になりサルコペニア(高齢者の筋肉量減少)が進んでいることが予想されます。
  • 外出する気力が起きない。歩けないわけでもないのに外出できない。:精神や心理的要因

これらはフレイル(虚弱)といわれる要介護の手前の状態でもあります。この状態に早めに気づいて対策できれば戻れる状態です。複数の心当たりがあり、自分一人で解決できそうにない人はもうすでに要支援といわれる状態です。近所のあんしんすこやかセンターに相談しましょう。早いほうが良いです。適切な介入を受けることで改善の可能性が高まります。

思い当たることが少なく自分でも何とかしようという気持ちがあるなら運動を始めましょう。1つの要因でも連鎖が始まるとあっという間に弱ってしまうこともあります

フレイルを予防改善するためには食事や運動(活動)は重要

予防改善にはフレイルサイクルと呼ばれる悪循環をできることから改善していくことです。

まずはしっかり栄養をとる。(半年以内に2kg以上体重が減ったら要注意です。)体調が悪く食べられない時は栄養ドリンクやゼリー飲料などドラックストアにも置いてますので利用しましょう。保存性の良いものも多いのでそういう予期のためにストックしておくとよいかもしれません。

自分でメニューを考えながら買い物や準備ができれば認知症防止のためにも最高ですがそれが難しい場合は宅配弁当などのサービスを入れるのも一考です。1日1食でもバランスの取れた栄養が取れると安心です。自分に合ったメニューやサービスがあると思うのであんしんすこやかセンターに相談してみたら地域のサービスを紹介してもらえると思います。

また介護保険を利用している人は食事サービスのあるデイを選ぶという手段もあります。

骨や筋肉は絶えず破壊や再生を繰り返しているので、栄養が取れていないとすぐに弱ってしまいます。筋肉が弱ると転倒しやすくなり、骨が弱っていると若いころには考えられなかった程の些細なことで骨が折れます。(例えば転びそうになって手をついた。椅子に勢いよく腰かけた等)

また姿勢が悪くなるとむせやすくなり、思うように食事がとれなくなり姿勢が丸くなると胃を圧迫するような感じがして一度にたくさん食べられなくなるので姿勢も意識して伸ばす練習など猫背の改善をしましょう。

歯の調子が悪いと食事量が減りやすいので要注意です。(歯ははやめに治療しましょう。)

筋肉や骨を作るための栄養素を食事から摂取して運動量を維持する。(天候などで散歩に行けなかったらそれに変えて家の中でもできる立位で行う作業や運動をしましょう)

骨や筋肉は絶えず破壊や再生を繰り返しているので、栄養が取れていないとすぐに弱ってしまいます。筋肉が弱ると転倒しやすくなり、骨が弱っていると若いころには考えられなかった程の些細なことで骨が折れます。(例えば転びそうになって手をついた。椅子に勢いよく腰かけた等)

慢性疾患は治療を続けて悪化を防ぎましょう。

積極的に社会参加する。(外出の機会を維持することで外出の準備や外出自体での運動、活動量が維持できます。散歩や通院、買い物等の外出でも良いです。)

うつ症状や認知症状は活動量低下につながるので予防しましょう。鬱予防(4000歩以上/日)認知症予防には(5000歩以上/日)の散歩も有効です。また、2000歩程度でも寝たきりの予防になります。

1日当たりの歩数、早歩き時間で予防改善できる病気の表
運動を続け活動的なことが寝たきりを予防するイメージの 図
COPD-jp.com|COPD(慢性閉塞性肺疾患)に関する情報サイト
病気を正しく理解しよう! COPD-jp.comは、肺の病気 COPD とその治療法を紹介する総合情報サイトです。

イキイキTOWN 歩いて病気を予防より

普段からこの予防を心がけて歩いたり動いたりするための筋力や体力が維持できていればやむなく体調不良で体重が減ったり安静をとらなければならない事態になっても回復可能ですが、筋力や体力がギリギリで動いている状態だとこのトピックスに耐えられず、立ち上がることや歩くことが困難になります。

これらの動作に人の助けがいるようになると自分で自由に動いて生活できなくなるので普段から余裕をもって動ける能力を維持したいですね。

残念ながら立ち上がり動作や立位が不安定になってしまっている人はまずは安全に座ったままできるタキザワプログラムを行うことで活動や運動量を維持することを心がけて安全に立ち上がって動ける状態まで回復しましょう。

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