#高齢者 #バランス #リハビリ
高齢になりちょっとしたことで転倒してしまう、立って下履きを替えようとしたらバランスを崩してしまったといのはバランス能力の低下のサインです。転倒や骨折の予防の意味でも重要です。
介護予防の観点からも30秒以上の片足立ちができなくなってくると要注意です。
高齢者においてのバランス能力とは
バランス能力とは、静止または動的動作における姿勢維持の能力のことで、この能力は感覚系・中枢司令系・筋力系などの要素によって決まります。高齢者においてはこのうちの筋力の要素がより重要であることが指摘されています。
また高齢者においてはしっかりと「立ち」「歩く」生活機能上の重要な一要素になります。転倒の予防という点においても重要です。
デイケアではバランス能力の評価として開眼での片足立ちの時間を測っていました。30秒以下が要支援やフレイルの目安になります。
またバランスが悪いと転倒の原因になるだけでなく、転倒しないように慎重に歩くようになり歩行速度も低下します。そのせいかどうか特定できませんが女性においては自立した生活とも相関があるという調査もあるようです。
NILS-LSAの1回目の調査とその14年後に行なった調査のどちらにも参加した961名(男性466名、女性495名)の方々の、筋力、歩く速さ、バランス能力と「自立した生活を送る能力」との関連について分析した結果。

女性では、速く歩くほど「自立した生活を送る能力」は低下しにくく、バランス能力が低い人ほど「自立した生活を送る能力」は低下していました。一方、その調査に関しては男性では、歩く速さやバランス能力と「自立した生活を送る能力」との関連はありませんでした。しかし、男性より長生きすることの多い女性にとっては自立した生活を送る為の重要なポイントともいえます。
参考、引用:国立長寿医療研究センター/速く歩けること、バランスを保てることの大切さhttps://www.ncgg.go.jp/ri/advice/10.html
高齢者のバランス能力を上げるためには
加齢により筋力が大きく低下している高齢者においては、筋力がバランス能力を規定する大きな要素になっていると考えられます。筋力が弱っていると片足で立つこと自体が困難になっていますのでまずは筋力強化です。
側方や前後にバランスを崩した時には体幹姿勢を維持して立ち直らせるために必要な体幹筋の強化、それに股関節の傾きを戻すためには外転筋(中殿筋)や伸展(大殿筋)等の股関節を安定させる筋肉が必要です。勿論、膝折れを起こさないように又は衝撃を吸収するために膝周囲の筋肉、足首周りの筋肉も足をひねらないよう調整するのに必要です。
その他に足底の筋肉のバランス調整能力も重要です。デイケアではある程度立位が安定してきた人にはスポンジのような柔らかいバランスパットと呼ばれるマットの上に靴を脱いで立っている練習をしてもらっていました。(転倒の危険性があるので平行棒の中や肋木の前等いつでも手すりが持てるところで)
余裕のある人はその状態で片足立ちや身体を動かしてバランスをとる練習。
柔らかいスポンジの上だと足底筋がバランス調整のためにしきりと収縮しているのが感じられます。足底筋の調整だけでも大きくバランスを崩すの防ぐことが感じられますので安全に手すりを持てる状態で試してみてください。
高齢者のバランス保持のための運動(リハビリ)
バランス運動というとバランスボールに座ってバランスをとる。バランスクッションや不安定な傾斜板の上でバランスをとるというイメージを持つ人がいると思いますがずっと続けている人は良いですが、高齢になって急に始めると転倒の原因になります。まずは四つ這いや手すりを持った片足立ちあたりから始めましょう。
公益社団法人 日本理学療法士協会の理学療法ハンドブックシリーズ1健康寿命に載っているものを紹介しておきます。

https://www.japanpt.or.jp/about_pt/asset/pdf/handbook01_12-15_compressed.pdf
まずは安定してある程度長く立てることが基本ですのでまだそれができない状態の人は慌てずタキザワプログラム(メソッド)を続けましょう。また平行棒内で前後左右の応用歩行練習も有用です。
又基本は下肢や体幹の筋力強化が必要です。また足底の筋肉もバランス能力には重要な要素です。
引用・参考:厚生労働省 e-ヘルスネット バランス運動の効果と実際

立位がしっかりとれない場合にはタキザワプログラム(メソッド)から
- お勧め理由―座ったまま器具を使ってすぐできる運動は隙間時間を有用に埋めます
- タキザワプログラムー超高齢社会は介護してくれる人も高齢ー自分でできるリハビリ
- 立ち上がり動作との関連性-立ち上がれない時何ができていないかチェックしましょう
- 運動の種類ー簡易な器具を使って座ったまま始める立ち上がりサーキットトレーニング
他にもリハビリのコツに興味を持った人には
- 靴のGPS装置―認知症が進んでも歩ける場合つけていてもらうと安心です
- 後期高齢者のためのゆるいリハビリのすすめータキザワプログラム(メソッド)
- 高齢者の腰痛は悪化防止をー姿勢を整えるストレッチから生活の注意まで
- ストレッチボードの効用―足関節の可動域改善、立位での良姿勢保持、循環改善等
- 高齢になっても外出しましょう―外出する機会を作る動機付けはリハビリに重要です
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